コラム


by katorishu
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元時津風親方等逮捕

 2月7日(木)
■弟子を死亡させた件で、元時津風親方が兄弟子3人とともに逮捕された。傷害致死の容疑である。マスコミ報道で知るかぎり、リンチ殺人に近い。大相撲の長い伝統で力士や親方が逮捕されたのは例がないといったことを理事長は話していた。

■大相撲は世界標準が適用されるスポーツとは、やや趣を異にする。奉納相撲に見られるように儀式の色合いが濃い。それだけに一層、精神性が重視され、力士はただ強いだけではダメで、それにふさわしい風貌、姿勢が要求されるのだが、この親方にはそんな姿勢が感じられない。

■酒を飲んでおりブレーキがはずれてしまった果ての行為なのだろうが、だったら酒がさめたあとで、冷静になって対処すべきだった。親方が積極的に罪を認めていたら、親方の言いなりになるしかなかった兄弟子たちの逮捕はまぬがれたかもしれない。この親方一人の個人的な犯罪としてすますのではなく、長年の繁栄のもと放埒になってしまった大相撲界の反省材料としてとらえて欲しいものだ。積年の弊害が表面化したというべきで、弊害を改めないと、人気は衰え、いずれ存在価値がなくなってしまう。若い時津風親方は、風貌からして誠実さが感じられる。心は表に現れるものである。

■最近、若い人に伝統文化に対する関心が強まっているようだ。とくに若い女性にその傾向が強い。本日、品川シーサイドの喫茶店でカミサンともども雑談した品川住まい歴10年というフリー編集者の女性は歌舞伎に大変興味をもっていて、関連の雑誌にかかわっており、現在三味線をならっているという。建築士の伴侶ともども「町作り」にも関わっているとのこと。

■去年の末、やはり地元の蕎麦屋で歓談した30代の女性は「文楽フリーク」で、この人も三味線を習っている。もう一人、去年秋に歓談した30歳前後と思われる女性は能狂言に興味をもち、じっさいに狂言師にならっている。この数ヶ月間、事務的レベルでなく会話をした20代から30代の女性は5,6人しかいないが、そのうち3人が古典芸能に興味をもち、実際に三味線などをならっている。以前にはなかったことで、興味深い現象である。

■他に仕事をもちながら古典芸能をならっている女性たちは、一様に元気がよく、何事にも積極的で、話していて楽しい。一方、20代、30代の男性は、ぼくの接する限り、彼女たちに比べ元気がなく、積極性があまり感じられない。偶然そうなのかどうか。気になることである。本日、「不良老年」に関する雑誌掲載の15枚のエッセーを仕上げた。他に諸々書かなければならない原稿があるのだが、以前と違ってどうも無理がきかない。年はとりたくないものである。
by katorishu | 2008-02-08 01:06