道路特定財源の不愉快な使われ方
2008年 02月 21日
■本日の衆議院予算委員会で、国交省のいい加減さを象徴することが明らかになった。国土交通省所管の公益法人「国際建設技術協会」が07年、道路特定財源約9200万円で作成した海外の道路事情の調査報告書が、わずか3部しか作られず、インターネット上の百科事典「ウィキペディア」の表を丸写しするなどずさんな内容だったというのである。(毎日新聞web版)
■報告書は約1100ページで、06年末に国交省が随意契約で同協会に発注したという。。報告書は米国各州の郡の数や、法定速度に関する表などをウィキペディアから引用。その他の参考資料も大半がインターネットからの引用だったそうだ。
■道路特定財源は年金と同じで、まるで天から降ってくるような金かなにかと、彼らに思われているのだろうか。この種のことはまだ他にも数多くあるに違いない。「国際建設技術協会」とかいう公益法人には多分、天下り役人が数多くいるのだろう。
中国の党官僚などの汚職とたいしてかわらない深刻な事態というべきである。
■日本人の多くは真面目で勤勉だし、仕事の能力も高い。なのに、「豊かさの実感」をもてない人が多いのではないか。CSテレビでエコノミストの森永卓郎氏が、日本人があまり豊かさを実感できないことのひとつに「円安」があるといっていたが、あたっている。ロンドンでは地下鉄の初乗り運賃が日本円に換算すると1000円であると、過日、日経の役員であった人に直接聞いた。
■森永氏によれば、円の実力は80円から90円ぐらいであるという。最近、中国人の買い物客を銀座などで数多く見受けるが、彼らが一様に口にするのは「東京は物価が安い」である。
円安で彼らは恩恵をうけているが、その分、多くの日本人は損をしている、ということだろう。上海のホテルは一泊4万円であるという。去年、ニューヨークで泊まったホテルはビジネスホテルに毛のはえた程度の部屋であったが、3万円を超えていたと記憶する。
■日本人が懸命に働いて得た「円」の価値が、世界の他の国の通過の価値に比べて安すぎるので、結果として高い輸入品を買う羽目になり、豊かさを実感できなくなっている――ことのようだ。政治が解決する問題であるが、「円安」で儲けているところもあり、そういうところに配慮しているのかどうか、金融政策担当者は思い切った手をうたないようだ。「ブッシュ退陣で、中東和平になれば、円は80円ぐらいになり、日本人はもっと豊かさを実感できるのでは」という意味のことを森永氏は発言していたが、その言葉を信じたい。