米中の憂慮すべき事態
2008年 03月 18日
■本日、東京証券市場の株価が12000円を割り、円も100円をきった。アメリカ経済失速の影響である。世界経済恐慌の懸念が現実のものになってきた。
一方、中国での「チベット暴動」は、中国の現政権の基盤をゆるがしかねない。そもそもチベットを中国化する政策が無理であり、一種の植民地政策である。強権で民の意志を封じ、文化を抹殺しようとしている中国共産党当局は、対応次第で国際世論の強い批判をあびるだろう。
■チベット問題は今年夏に予定されている北京オリンピックに強く影響する。マラソンでチベットよりウイグル自治区の「独立派」のテロが起きる可能性も指摘されている。
この両大国にはさまれ、深くかかわり、ある意味で「生殺与奪」の権を握られている日本。中国に依拠している食料品、衣料品なども、中国内政が混乱すれば、大変な被害をこうむるはず。この深刻な状況を一体どう打開するのか、どうするつもりなのか。政府の明確な指針が示されていない。
■物価はじわじわ値上がりしているし、企業倒産も急増しつつある。危ないなと思う。より深刻なのは、これといって有効な処方箋もみつからないことだ。円高については、今の円がドルに対して安すぎるという意見があり、90円になっても以前の120円程度であるというエコノミストの分析もあるが。
■日本が今、極めて危ない状況にあることは、素人目にもわかる。混乱、混迷の時代をリードする政治家として福田総理は、心許ない。何より力強さが感じられないし、官僚依存の「調整型政治家」では、窮状を打開できないのではないか。
こういうときこそ、指導層の人心を一新し、あたらしい風をいれるため思い切って総選挙でもやったほうがいい。
■政治の「無策」がつづくと、アメリカ経済の凋落と中国の混迷、混乱にひきずりこまれ日本はさらに深刻な危機に直面する。「世界第二の経済大国」も「歴史」の中にはいり、いずれ野垂れ死にしかねない。米中の「大国」の間にはさまれた日本のとるべき政策が見えてこない。このままだと10年後20年後、「見たくない風景」が日本の随所に展開するような気がしてならない。
それとも、思っても見なかった「変事」が起こるのかどうか。