コラム


by katorishu
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中小零細の悲鳴が聞こえる 

 3月24日(月)
■昨年10月から今年2月までの5ヶ月間で倒産した企業は約4700社にのぼるという。帝国データバンクの推測だと、この調子では今年の倒産件数は1万5000件になる可能性もあり、これは戦後最悪だという。倒産する企業は中小零細である。業種別には、1位が建設業でついで小売業、サービス業とつづく。

■倒産の原因は一様ではなく、中には放漫経営や経営者のでたらめから経営が悪化したケースもあるだろう。だが、大半は真面目に、受注先(大企業が多い)の無理難題を甘んじて引き受け、コストカットにカットをかさね、それでも万策尽きてしまったはずである。

■銀行は多くの中小零細を貸し付け対象外としており、中小零細はなんとか生き延びようと高利の借金をしてしまうケースも多いようだ。企業倒産の増加の原因はいろいろあるようだが、主な理由として去年改正された建築基準法の厳しすぎる審査にある、と指摘するエコノミストは多い。この法律は小泉内閣のとき制定され、安倍内閣で実施にうつされた。紋切り型に一律に規制を課し、結果として住宅着工率をいちじるしくさげた。世論の批判を過剰に先取りする形で、建築基準法を紋切り型に改正した官僚、ならびにこれを認めた政府の責任は重い。

■安倍政権のあとを継いだ福田現政権の「経済無策」には与党内からも批判の声があがっている。世襲政治家やキャリア官僚には、所詮、中小零細の呻吟する声は聞こえていないのだろう。聞こえていても、コオロギのすだく音ぐらいにしか思っていないのではないか。
 このまま経済無策がつづくと、今年の自殺者は4万人を超えるかも知れない。外出し電車に乗ると、遅延が目立つ。その理由として「線路内に人が立ち入ったため」と駅のアナウンスがされる。これは率直にいって「自殺」である。

■アメリカの経済失速は、4月半ば以降に顕在化するという。日本経済への波及は必至で、さらに倒産がふえるに違いない。政治の無策にたいし、福田内閣にたいする支持率も24,7%になった、と報道ステーションが報じていた。
 ここは鬱陶しい空気を吹き飛ばす為にも、総選挙をすることだ。それで直ちに経済がよくなるはずもないが、鬱陶しい空気を多少は吹き飛ばす効果があるのではないか。

■識者の話では企業に過剰な資金があつまり、家庭にすくなすぎ、それが消費の伸びを萎縮させているという。その資金を家庭のほうに移行させ、消費にまわすことに力あるのは、政治家、官僚である。
 大量消費、大量生産がいまだ世界の主流のシステムで、いずれこのシステムは行き詰まる。何かあたらしいシステムを構築しなければいけなのだろうが、とりあえず消費増という「カンフル剤」を注入しないと、中小零細の死屍累々ということになってしまう。

■ぼくの交友関係は、大きくわけて中小零細の企業主やそこで働く低賃金労働者と(フリーもここに含まれる)、大企業や官庁等の「絶対につぶれない」組織の人間やそこの退職者に二分される。後者に所属している人(およびその家族)は、前者の苦悩について実感を持ち得ない人が多い。自分たちの繁栄を謳歌するのもいいが、他にも目を向けて「苦悩」の一端を担う努力をしないと、結局は「共倒れ」になる。

■本日、烈しい下痢に見舞われた。とくに生ものを食べたわけでもないのに。過日は背中から腰にかけてそれまでにない痛みに襲われた。そろそろガタがきたかな、と思う。「持ち時間」がだんだん少なくなっていくので、焦らなければと思うのだが。「天命」ということについて、最近、しばしば考えを巡らせる。
by katorishu | 2008-03-24 23:40