「石原慎太郎銀行」に捜査の手・9月に都知事辞任」といった週刊誌情報
2008年 04月 21日
■21日発売の週刊現代に――「石原慎太郎銀行」に捜査の手-9月に都知事辞任も――という記事が載るようだ。金融に素人の「作家・都知事」が銀行をつくるということ自体、当初から懸念されていた。設立前、石原都知事から相談を受けた大前研一氏が過日、週刊誌に「内情」を暴露していた。
■多分、それも捜査を動かす一因となったにちがいない。大前氏は自分の言うことに耳を傾けていたら、こんなことにはならなかったと書いていた。捜査の進展次第では、石原都知事逮捕ということも、あり得ないことではないそうだ。鍵をにぎっているのは、都議会で強い力をもち警視庁にも相応の影響力をもつ、公明党だろう。
■銀行から見放された中小零細を救おうとする趣旨は決して悪いことではない。だからこそ、新銀行の誕生に期待を寄せていた人も多かったはず。
今後、どういう展開になるかわからないが、「石原銀行」をたたくことによって、中小零細など相手にせず担保のない事業所など「ゴミ」のようにしか思っていない銀行の悪辣な商売から、目をそらせてはいけないのだと思う。バブル期からその崩壊にかけて、銀行にてひどい目にあった人も多いはず。
■銀行によって結果的に「死」を選ばざるを得なかった人も相当数いるはずである。そのくせ、銀行は多額の税金を特別に注ぎ込まれて延命したのである。当然のことながら、その税金は国民が払ったものである。貸しはがしなどで、良品をつくり経営もそれほどひどくなかったのに、倒産に追い込まれた中小零細も多い。当然、自殺者も多い。
■石原都知事も「愛国者」を名乗るのなら、、この際、「防御」の姿勢にまわるのではなく、「公人」としての「説明責任」をきちんと果たし、他の銀行の「非」をも白日のもとにするため努力すべきだろう。ひところのロシア経済は3割から4割がマフィアに牛耳られていた。いまも、かなりの程度、マフィアやプーチン政権で復活した秘密警察がらみの人間によって牛耳られている可能性が強いが、日本も一皮めくれば、暴力団やそれに準じる組織等のからむどす黒いものが渦巻いているといっていいだろう。恐らく「石原銀行」にも妖しい勢力が巣くっているはず。
■土木建築や廃棄物処理等々、莫大な「公費」が使われるところには、「有力」政治家とならんで妖しい人々が相変わらず跳梁跋扈しているようだ。
一方で例の防衛省の汚職問題が、その後、国民の関心の埒外になっている。疑惑が解明されたわけではなく、その後、どうなっているのだろう。「忘れやすい国民」といわれるが、そう簡単に忘れてしまっては困る。税金が不公正に費消されることに、国民はもっと怒りの声をあげ、不正は許さないという姿勢を強く示さないと、ほとぼりが醒めたころ、またぞろ税金という蜜にたかって「(不公正に)わたくしのもの」にしようとする手合いが、うごめくことになる。
■少子高齢化のなか、税金が言葉の本当の意味で「国民のために」使われ、一部の「既得権益層」を利するようなことがなくなるという「条件」がつけば、消費税の値上げ等もやむを得ないと思う。払った者のために使われる可能性が弱いから、みんな値上げに反対するのである。
スエーデンなどの北欧では消費税が高いが、日本と違って税金の使い方が公正で透明であり、国民の大半が「払った分」が「しっかりした福祉政策」によって自分たちにもどってくると思っているとのことだ。汚職なども微々たるものだという。
一方、今の日本で税金が公正に使われていると考えている国民は、どれほどいるのだろう。恐らく10%にも満たないのではないか。こういう事態をこそ「亡国」という。