コラム


by katorishu
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世界の食糧危機は人為的なもの 

 4月21日(月)
■本日の報道ステーションが世界的な食糧危機を特集していた。エジプトではパンをもとめて争う人々の間で何人もの死者がでている。南米ハイチでは食をもとめる人々が暴徒と化し、5人が死んだという。そのほか、食料をもとめての争いが世界規模でひろがっているという。食は命の元なので、窮状にある人々は真剣であり、それだけに深刻である。

■食料危機はある意味で「人災」である。小麦や大豆の価格はこの3年間で3倍も高騰した。背後にはバイオ燃料と投機マネーがある。世界最大の米輸出国のタイ米も価格が急上昇しているという。ベトナムで先月米の輸出を禁止した。これも東南アジア諸国の米不足と高騰をもたらし、庶民は深刻な事態におちいっている。

■食料の「囲い込み」が生産国ではじまっているのである。自国優先の政治がからむ。つまり「食料ナショナリズム」が世界に蔓延しているのである。食料の自給率が4割しかない日本は、農業政策を根本的に改める必要があるだろう。生産性の低い食料は輸入すればいい、という政策は破綻している。

■投機マネーなどは食料危機をあおり、結局は価格の高騰で膨大な儲けをだす。こういう野獣のような投機にたいして、防御策を講じることこそが、「国の安全保障」の柱である。
 米だけは国内でまかなえる数少ない食物である。日本国民が米を少なくとも今の倍食べるようになれば自給率も回復する。和食好きのぼくなど、心からそう思う。肉類やパンばかり食べている自称「愛国者」を、ぼくはまったく信用しない。
   
by katorishu | 2008-04-21 22:46