中国四川大地震と異常気象
2008年 05月 13日
■中国四川省を襲った大地震の規模は阪神淡路大地震の20倍に達すると夕刊に出ていた。1970年代に唐山大地震がおこったときは、中国は今よりずっと情報を統制していたので、日本人でこの地震のことを知らなかった人も多い。数十万人が死んだのではなかったか。今回はオリンピックの年で、以前のような情報統制もできないので、現地の映像情報までも日本で見ることができる。
■当初、死者5000と伝えられたが、1万人に達し、行方不明者も多いようなので数万人に達するのではないか。北京オリンピックはだいじょうぶなのかという声も聞こえてきそうだ。日本と比べて建物の耐震基準が低くそれも被害を大きくした原因のようだ。被災者には国際的な支援が必要だろう。
■過日のビルマのサイクロン被害では死者が10万人を越えたという。溜息がでるほどの被害者の多さである。地震は人知ではどうしようもできない自然現象だが、こういう自然の猛威に接すると、あらためて人間などちっぽけなものだと思い知らされる。
■東京は本日も最高気温が15度以下の「異常低温」がつづき、寒い。このところ、ずっと「異常」というより「異様」なというほうがいい天気が続いている。昔の人であったら、なにか凶事の前兆とうけとったに違いない。われわれも、凶事の前触れと受け取ったほうがいい。「自然への恐れ」(その裏返しの畏敬の念)が今こそ必要なときはない。
■文明人、とくに先進国の人間は「科学万能」思考によって、自然など人の力で支配し統御できると傲慢にも思いこんでしまった。自然への恐れの喪失は、必ずしっぺ返しを受けるに違いない。今年の夏は一転、猛暑に襲われ、大型台風があいついでやってくるのではないか。農業に従事している人は、今の天候でも、すでに凶事であるだろう。
■では、どうしたらいいのか。正解がわかれば誰も苦労しはしない。60億人の人間がみんな幸せになりたいと願っているのである。エネルギーや食料の消費も増えこそすれ、減ることはないだろう。
「未来は本当に暗い」これが冷徹な現状分析である。そこにたって、ではどうしたらいいかを考えるべきなのだろうが。多くの人は「その日の糧」を得ることに一生懸命で、大きく引いて社会や人類社会を見据え、効果的な処方箋をくだせる余裕がない。その力もない。
政治家と官僚の出番なのだが、これが、「私利私欲」「党利党略」にとらわれているのだから、どうしようもない。「滅私奉公」などという言葉が懐かしいくらいである。