コラム


by katorishu
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「オバマ氏暗殺」を期待(?)という大失言でヒラリー候補自滅

  5月24日(土)
■もうすこしすると、アメリカの大統領がかわる。前後して日本の首相もかわるに違いない。「今」を肯定している人はともかく、多くの人が「変わって欲しい」と切に願っている。クリントン大統領からブッシュ大統領になってアメリカが劇的に変わったように、オバマ氏が「黒人初の大統領」になったとしたら、アメリカはまた劇的にかわるに違いない。

■社会が「変わる」ことは、ある人にとっては願わしいことであり、ある人にとっては厭わしいことである。変わることを望まない人は、基本的に現状維持を願っている人で、それなりに今に満足しているのだろう。変わって欲しいと強く願っている人は、「やってられない」気分の人であり、こちらが日々多くなっているようだ。

■ヒラリー候補が劣勢の選挙戦を継続する理由として、オバマ上院議員が“不測の事態”に見舞われることを期待したともとれる発言をしたそうだ。オバマ氏が「暗殺」されることを願うととられかねない発言で、アメリカのマスコミが一斉に報じた。ヒラリー氏は事の重大さに慌てて陳謝したという。

■劣勢に陥って焦っていたのだろうが、愚かな発言であり、ヒラリー氏は自ら墓穴を掘った。アメリカ大統領としてふさわしくないことを自ら公言してしまったようなものである。
 これでオバマ民主党候補とマケイン共和党候補の一騎打ちになる。どちらが勝つかまだわからないが、より可能性の強いのはオバマ氏だろう。

■オバマ大統領なら、なにか画期的なことをやってくれるのでは――という期待が多くのアメリカ人にあるのだと思う。多民族の移民国家アメリカにふさわしい大統領の誕生で、これ自体、意味のあることだ。アメリカ、とくにブッシュ政権べったりであった日本政府の対応もかわらざるを得ない。
 日本では、今の情勢で総選挙にはいると、民主党など野党が過半数をとり、政権交代といういうことになる。

■次の指導者が誰になるかは今後の日本を占う上で極めて大事であり、無関心ではいられない。未来は難問だらけで、明るい要素は少ないが、多くの日本人と同様、社会の仕組みを変えないといけない、と思っている。
 
■現在、若者のあいだでプロレタリア文学の「蟹工船」がよく読まれ、文庫の売り上げも50万部を越す勢いだという。非正規社員やアルバイトとして薄給で酷使されている状況が、「蟹工船」の世界と通じるとのことで、「自分たちのこと」として身につまされて読んでいる若者もいるという。

■何か「地殻変動」がおきはじめているという気がする。「自分が不当に痛めつけられている」と思う層の急増は、否応なしに変化をもたらす。不満のエネルギーは相当たまっていると解釈すべきで、いつ飽和点に達し沸騰するかわからない。
 一方、仮にオバマ氏が大統領選挙に当選したとして、依然として暗殺されるのでは――という噂も流れている。銃社会アメリカだけに、あり得ないことではない。オバマ暗殺ともなると、国際社会でのアメリカの権威は一層失墜する。

■サブプライムローン問題では、どうやら「世界恐慌」の危機は脱したようである。ただ、中東情勢も微妙であるし、北京オリンピック後の中国がどうなるかもわからない。ボーダレス化の時代、世界の動きに日本は無縁ではいられない。食糧品などの物価は今後とも高騰するであろうし、いずれデフレになるのでは、と素人考えで危惧してしまう。

■本日も風邪でくしゃみや鼻水がつづく。葛根湯を飲んだが、よくならない。世界情勢や政治情勢とは関係ないところで、いろいろ「懸案事項」ばかりが積み上がり、意気はあがらない。本の初稿ゲラ直しは目をしょぼつかせながらも何とか終えた。それで一日は良し、とするしかないようだ。
by katorishu | 2008-05-25 00:18