コラム


by katorishu
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韓国李大統領の支持率急落

 6月3日(火)
■韓国の李大統領の支持率が急落しているという。建設会社社長という肩書きで、経済面での政策に期待を寄せられたが、一向に経済が好転しないことに加え、アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐりアメリカに譲歩したことが影響したと新聞は報じている。

■今も昔も「いかに食べてゆくか」が圧倒的に多くの人々の最大関心事である。動物でいえば餌をいかにして確保するか。それが生きるか死ぬかに直結するのである。独裁体制や封建体制などとちがって民主主義社会では、政治の要諦は出来るだけ多くの人が「食べていける」ような対策を打ち出し実施することにつきる。

■理念などは、最低限「食べていける」ことがあってこそである。右も左も「原理主義的理想主義」を声高にいっている人たちに共通していることは、「食べる心配」のない人が多いことである。民主党の異色議員、河村たかし議員が、ビデオニュースドットコムで語っていることだが、庶民の傷みを知っている政治家が政治をやらなければダメだという。

■河村議員は議員年金の廃止を確か打ち出した議員のはず。家業を継ぎ、中小企業の経営者として苦労をした“庶民”のひとりとして、河村氏は官僚と政治家のコスト感覚の無さを厳しく批判する。社会保障維持や財政均衡のために、消費税増税も止むなしという議論については、「財政破綻しかけているなら、なぜ、何百億もかけて議員会館や議員宿舎を建て直せるのか」と、増税の前に、まずは、徹底的な歳出削減を行うべきと語る。(ビデオニュースドットコム)

■一度こういう議員に総理をやらせてみたいものだ。世襲の政治家はもういらない。過日、小泉元総理が次男を後継者として立候補させる準備をしている……といった記事をウェブで見たが、そうなった場合、選挙民は票を入れてほしくない。世襲議員にも優秀で政治家としてふさわしい資質の人がいるかもしれないが、総じて世の中の見方が甘いし、親の代からの利権や既得権益を守らなければならないので、圧倒的多数の庶民のためにはならない。

■李大統領は田中角栄元首相のように庶民からはいあがった立志伝中の人物のようだが、企業経営者の感覚でトップダウンの政策を打ち出し、失敗しているようだ。どうも前政権との差違を強調するあまりアメリカに追従しすぎなのではないのか。
 国際政治の中でアメリカの存在感は落ちる一方だし、今後世界は多極化する。そんな将来を見据えて、場当たり的でない政策を打ち出さないと、支持率回復につながらないだろう。
 日本の福田政権にも同じことがいえる。

■政治評論家、森田実氏のブログを読んでいて、ほんとかいなと思ったことがある。イラク戦争ですでに日本は30兆円もの税金を投入しているというのである。ノーベル賞経済学者ジョセフ・スティグリッツと元商務次官補のリンダ・ビルムズの共著『世界を不幸にするアメリカの戦争経済』(徳間書店、2008年5月31日刊)に書かれているという。本当だとしたら、こんな重要問題をまったく報じない日本のマスコミは怠惰というしかない。
by katorishu | 2008-06-03 23:34