アメリカの新大統領はオバマ氏の可能性が強くなった
2008年 06月 05日
■アメリカの大統領選挙で民主党の候補はオバマ氏で決まりと報道された。黒人初のアメリカ大統領として歴史に記録される可能性が強い。ただ、オバマ大統領が実現すると人種差別意識の強い白人による暗殺の噂もあり、まだどうなるかわからない。過日、ヒラリー候補が「オバマ暗殺」の可能性を示唆する演説をして顰蹙をかったが、ヒラリー氏が言及するくらい、その可能性があるのである。
■現在、世界中で問題になっている穀物価格の急上昇も遠因は、ブッシュ政権が行ったイラク戦争にある。イラク戦争でどれほど莫大な石油やその他の資源が蕩尽されたか計り知れない。石油産油国からの反発への対処方法として、ブッシュ大統領がうちだしたのがバイオ燃料である。これによってアメリカのトウモロコシ生産の3分の1は食料にまわらず、バイオ燃料にまわった。そのため、トウモロコシ価格が高騰し、それが連鎖反応的に他の穀物の上昇につながった。
■さらに投機資本がからんで、世界は深刻な食料危機に直面している。多くの人間が饑餓に苦しむなか、一方で一部投機資本がボロもうけをしている。先進国が有効な対策を打ち出さないと、新しい世界大乱の原因になりかねない。他のことは少々我慢できても食べ物は命に直結するので我慢するわけにいかない。昨日、どこのテレビであったか、食料の自給政策をやめて輸入にたよったハイチでの深刻な食料危機を報じていた。
■食の自給政策こそ、国民をまもる「安全保障」の最たるものである。ガソリン価格の高騰もいろいろなところに悪影響をもたらしている。イラク戦争という無意味な戦争にアメリカが突き進んだことのツケが、いまこんな形で跳ね返っている。オバマ候補はイラクからの撤退を公約にかかげているし、もし大統領に当選すれば、この面からの期待も生まれる。
■超大国アメリカの政策がかわれば、世界がかわる。心から「変わって欲しい」と願っている人が圧倒的に多いのではないか。もちろん悪く変わる可能性もあるのだが。とりあえず、現状を変えないことには、日本もどうしようもなくなっている。