コラム


by katorishu
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CS放送の「ニュースにだまされるな」は面白い

  8月3日(日)
■CS放送の朝日ニュースターの「ニュースにだまされるな」は、なかなか面白い。金子勝慶大教授と中村うさぎが「キャスター」で、毎回数人のゲストが2時間かけて「ニュース」の裏や欺瞞をえぐりだしたりする。本日見た番組では、国際経済の深刻さ、とりわけアメリカ経済のクラッシュ寸前の事態を立教大学教授のなんとかデービッドというアメリカ人が指摘していた。

■過日の報道で日本の自動車産業がアメリカの車産業をぬいたことが伝えられたが、アメリカの巨大メーカー、ジェネラル・モーターの業績が極度に悪化し、倒産の確率は70%であるという。シティバンクもあぶない。シティのカードを重宝して使っているが、さてどうなることか。
 ただ上記の企業はあまりにビッグな企業なので、アメリカ当局としても倒産の影響が大きすぎ、なんらかの救済措置を講じるはずとか。

■「市場原理主義経済」の破綻というより、終焉を意味する。アメリカの住宅ローン、サブプライムローンの破綻が云々されているが、じつはこれは序の口で、バブル期に相次いでたてられたホテルの破産も間近に迫っていて、これがもたらす衝撃も大変なものらしい。

■グローバリゼーション、つまりアメリカ型市場主義経済が破綻したことを具体例でしめしたことで、こんなアメリカに追随している日本の為政者も、考え方を根本的に改める必要がある。かといって、他に理想的な経済システムがあるわけではない。

■同じ「ニュースにだまされるな」で中国研究者の学習院大学准教授の女性が中国での「調査」をもとに語っていたが、中国の都市部と農村部の貧富の格差も一向にうずまらず、現地で感じるところでは都市と農村の所得格差は10対1というのが実感だという。
 中国では「都市戸籍」と「農村戸籍」があり、農民は実質的に地方にしばりつけられている。農村では食べられないからと都市に出稼ぎにきても、医療保険などは地元の農村でしかはいれないので、病気になると悲惨である。子連れの働き手も多いが、戸籍が農村戸籍だと教育もなかなか受けられない。

■行政のサービスの対象外におかれているのである。それでいて、つい最近まで税金だけはとられていた。「日本の年金みたいですね。払っているのにもらえないなんて」と中村うさぎが突っ込みをいれていたが、その通りである。ともに「危ない」アメリカと中国という大国にはさまれている日本。指導者はよほど巧みな舵取りをしないといけないのだが、どうも心許ない。

■一方で、すでに「手遅れ」という観測もある。つまりこのまま世界恐慌に似た事態に突っ込んでしまうのでは、という懸念である。愚者は体験に学び、賢者は歴史に学ぶといわれるが、歴史に学ぶ政治家、官僚がもっと増えないと、どうしようもないところにきている、とあらためて思ったことだった。

■この一週間ほど、仕事に一段落ついたこともあってパソコンに向かう時間が少ない。といっても一日平均で3時間ほどだが。普段は8~10時間ぐらいはパソコンの画面を睨んでいるのではないか。眼や脳にいいわけがない。

■パソコンに向かう時間が少ないと、眠剤に頼らなくても眠れるし、口のもつれ等もなくなる。良いことづくめなのだが、文筆業としては「執筆をしない」ということで、よいことではない。まだまだ書きたいことが山ほどあるし、締め切りの迫った原稿もあるので、来週からはまたパソコン画面を見つめることになる。原稿用紙で書くことも試みるのだが、どうも調子があがらない。「文明の利器の頼る」病におかされているのですね。
by katorishu | 2008-08-03 21:48