コラム


by katorishu
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眼鏡がみつからない

  9月17日(水)
■今の世の中では「変人」の部類にいれられてしまいそうだが、1年365日を通じて本を読まない日は1日もない。新聞や週刊誌をのぞいた「書籍」のことである。仕事がら当然のことなのかもしれず、楽しいし面白いので、そうしているのだが、目の酷使につながる。で、できるだけ目の負担をやわらげようと、4つの眼鏡を使い分けている。

■ひとつは、日常生活用、ひとつは読書用(老眼)、ひとつはパソコン用、ひとつはテレビ用である。本日、睡眠不足による脳の疲れからか、読書用の眼鏡がみつからず、膨大な資料のやまなどをひっくりかえして汗をかいた。結局わからずじまいで、外出し、某コーヒー店で2時間あまり執筆した。

■ところが、パソコンの原稿をキー操作の間違いで消してしまった。気持ちがのって、核心部分の壁を超えたと思えたのに……。愕然とした。帰宅して眼鏡をまた探したが、みつからない。確か昨日はパソコンの脇か寝床にあった、と記憶しているのだが。

■前夜は朝刊がきて、それを読んでから寝たので、眠剤の力をかりた。その効力が残っているようで、起きて数時間は頭がぼーっとしていた。無意識のうちに、くず箱などに置いてしまったのかもしれない。商売道具なので、いつか出てくるのを待っているわけにもいかず、明日眼鏡店で新しいのをつくってもらうことになる。

■気分がのらないので、運動不足だというカミサンと天王洲アイルまで歩き、スパゲッティにビールを飲みつつ、パソコンに向かった。気候がいいので建物の外の運河の見える椅子にすわると、突如創作欲がわきあがり、パソコンを開いたのである。カミサンもパソコンで作業。行楽にきたと思われる前の老夫婦が、振り返り変な顔をしていた。妙な心理で、まわりから「少々へん」と思われていたほうが、創作欲が高まる。周囲が暗くなっても、夜風にあたりながらしばらく作業をつづけた。携帯パソコンがなかったらできない仕事である。

■この一角、ひところバブリーな男女が闊歩していたものだが、最近は人が少なく閑散としているようだ。おぞましい未来を予想させるアメリカ発の金融危機を反映してなのかどうか。
 ところで、先日倒産したアメリカのリーマンブラザーズでは、「持ち株制度」をとっていたので、倒産により株は紙くずと化して、億単位の損をした社員もいたようだ。ただ、日本の中小零細の倒産とはワケがちがう。日本法人の日本人社員で、一ヶ月ほど前にリーマンブラザーズをクビになった人がいるが、彼は売却に縛りがある株をすべて売ったうえ退職金ももらったので「得」をしたとのことだ。彼の年収は1億円だという。

■日本法人にも、こういう「高級とり」の社員がごろごろいたようだ。「ハイリスク・ハイリターン」とのことで、自由主義経済だから、それもいいのだが、「額に汗して働く」のがまっとうな人のすること、と思っているぼくなどには、異様にうつる。

■一方で年収200万以下で働く多くの人、人、人。「世の中間違っている」と思う人のほうが、まっとうである。というと、では社会主義経済がいいのか、という声が聞こえてきそうだが、ちがう。旧来の日本には「ほどほどに」「足を知る」生き方があり、多くの人が実践していた。こうも社会の劣化がすすむ状況を見ていると、そろそろ元にもどしたほうがいいのでは、と思う。それが簡単なことではないことを承知して、あえていう。国民の過半が、その気になればできないことではないと思うのだが。

■市場経済原理主義をつらぬいてきた、アメリカの金融当局が、アリコなどを傘下におくAIGに巨額の「公的資金」をつぎこまざるを得なくなった。アメリカ型市場原理主義の終わりのはじまりを象徴する出来事である。
 蛇足ながら、薬害肝炎九州訴訟原告の福田衣里子さんが、つぎの衆院選に長崎2区から立候補するとのこと。ここは自民党の久間元防衛相の選挙区である。このニュースを知ったとき、次の総選挙の「勝負あった」なと思ったことだった。
by katorishu | 2008-09-18 00:16 | 個人的な問題