コラム


by katorishu
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アメリカ金融危機をマスコミが煽るので、経済は一層収縮する悪循環

 9月28日(日)
■どうしても金融危機というより、すでに「金融恐慌」に陥っているアメリカのことに目がいってしまう。テレビや新聞雑誌でアメリカの危機を盛んに煽る。事実はそうなのだろうが、煽られた結果、多くの人がますますお金を使わなくなり、経済はますます萎んでいく。金のない人は使いようがないが、ある人までもが控える。

■この勢いが急すぎると、いろいろな企業の経営が悪化し、なかには倒産するところもでてくる。雇われていた人は失業である。収縮する経済の中で、新たな就職もそう簡単ではない。45歳以上の人には、いっそうつらい現実が襲いかかる。日本人は贅沢になりすぎているから、ちょうどいいなどといっている人は、かなり恵まれている人に違いない。

■収入のアテもなくなり、貯金類のない人にとって、これは生物としての存在の危機である。なにしろ「えさ」がなくなるのと同じことなのだから。昔、フランスのマリーアントワネットは、パンを買えないといって騒ぐ民衆に対して、パンがないっていうのならケーキでも食べればいいじゃないの、といったとか。

■恒常的に安定した収入を得ている人は、ともすれば、マリーアントワネットと同じようなことをいっていることがある。本人がそのことに気づいてなく、良いこといっている、と思っているようなところがあるので、始末が悪い。
 今のところ、日本は世界的な金融危機の直接の波をかぶっていないようだが、この危機まだ何年つづくかわからないし、さらに悪化することも考えられる。なにしろ100年に一度ぐらいしかない危機だというのである。金融取引とは全く縁のない生活をしていても、その余波は厳しいものになる。なんとなく寒々しい光景が浮かんでしまう。

■中山国交相の辞任会見、あきれました。日教組には、まるで関心がなく、この組織の悪い面もかなりありそうだが、「日教組の強いところは成績が悪い」などと荒っぽい論理を展開するところなど、本当に最高学府をでた「エリート」なのかと思ってしまう。戦後教育は確かに問題があるが(戦前教育も問題ありだが)、戦後社会の悪をすべてこの組織に押しつけるのは、あまりに雑ぱくな論理だ。戦後教育は文部省と一体となって進めてきたはずだし、社会の劣化は、いろいろな要素が「複合汚染」しあってできあがったものである。

■日教組をつぶせば社会が良くなるのなら、こんな簡単なことはない。この時期の発言にしては、あまりにお粗末なので、この人、もしかして麻生内閣の支持率を意識的に落とすためにやっているのかと思ってしまう。隠された「意図」や「裏」がなかったとしたら、あまりに単細胞で想像力に欠けている。こんな人に、人の命運を左右する国の政治をまかせておけない。賢明な選挙民なら、近づく総選挙できちんと結果をだす、と思いたいが。
by katorishu | 2008-09-29 02:00