オバマ大統領なら暗殺という「悪夢」
2008年 11月 01日
■数日後にせまったアメリカ大統領選挙。一つ危惧されることがある。以前からいわれていることだが、オバマ候補が大統領に当選したら暗殺するという噂が流れている。アメリカのなかで中流から下の白人クラスの人やキリスト教原理主義者などが、「黒人が大統領になるなんてとんでもない」とオバマにたいし誹謗中傷をくりかえしている。一部はねっかえりが、実際に暗殺を実行しないとも限らない。
■人種の壁をこえてチェンジをしようと訴えるオバマ氏によって、アメリカは変わるはずで、そこに期待をかけたいのだが。
肌の色で差別する傾向は、あいかわらずなくならない。文明がこれだけ進んだはずの日本でも、いぜんとして徳川時代初期に定着されたといわれる差別がつづいている。表向き差別は「ない」ことになっているので、ある意味で始末に悪い。解放運動などの過激すぎるやり方に問題があったにせよ、封建的遺制が今も続いていることは否定できない。
■民主主義を標榜し「同盟」をうたう日米で、社会に深く根ざした「差別」が厳然と生きているということだ。恐らく差別意識をもつほうに、ある種のコンプレックスがあるのだろう。自分の弱さから目をそらそうと、より弱い人をいじめる「イジメ」の構造と同根である。オバマ氏を「黒人」だからノーといっている層が、「中流以下」の白人層というのも象徴的である。
■本日は月に1回の放送作家協会理事会。事務局の近くにある六本木ヒルズから企業が逃げ出しているようだ。どうもあの一角にはなじめない。以前、テレビ朝日の旧館があったころは仕事でよく足を運んだものだが、あのころはまだ界隈に人のぬくもりがあった。
■それはそれとして、テレビ局の収益が急速に悪化しているようだ。製作費が大幅に削減され、たとえば誰でも知っている某女優など、いままったく仕事がないという。スタークラスの役者であるからこそ、仕事がなくなっているケースが多い。理由はギャラが高いからだという。製作費が削られた結果、そういう状況になっているそうだ。
■かわりに、ギャラの安い「イケメン」とか素人に近い役者を数多くだして、お茶を濁している番組が多い。それが劣化につながり、ますます視聴者離れを引き起こしている。あとは「長いコマーシャル」のような番組。すでにテレビは末期症状にはいったといっていいだろう。
来春の番組編成で、この傾向は一気に加速すると予言する関係者が多い。その先にあるのは、テレビ局の半減である。いや、消滅するかもしれない。同時に、日本文化も消滅しないよう願いたいものだが。「テレビ消滅」後に、さらに劣化したメディア状況になる可能性も強い。こういう時代は本を読むことですね。それとラジオ。手前味噌ながら、1月放送予定のラジオドラマをこれから書く予定。「ラジオはいい、ラジオは面白い」という作に仕上げたいものです。