「ロビイスト」との癒着を絶つオバマ次期アメリカ大統領に期待
2008年 11月 13日
11月12日(水)
■オバマ次期アメリカ大統領が、「改革実行」のため、アメリカ政治を左右していた「ロビイスト」との「癒着」を絶つ「倫理規定」を発表した。オバマ氏の「政権移行チーム」が発表したもので、倫理規定は具体的には、(1)ロビイストからの献金、贈与を禁止する(2)過去1年間にロビー活動に従事した人物が関連分野の政策決定に関与することを禁止する(3)政権移行業務に従事した後、新政権に対して関連分野のロビー活動を行うことを1年間禁止する-などと定めている。(時事通信)
■以前「ロビイスト」という本を読んだことがあるが、アメリカでは業界の利益のために影響力を行使しているロビイストが、ワシントンにオフィスをかまえ、盛んに活動し政治家に影響力を行使しており、アメリカの「裏」や「影」を見る思いだった。
韓国などでもロビイストの活動が相当あると以前聞いていたが、今はどうなっているのか。日本には「ロビイスト」は表向きあまりいないようだが、「企業献金」を通じて現実にアメリカのロビイストと同様の活動をしている企業等も多い。
■オバマ氏がロビイストからの献金受け取りを禁止する「倫理規定」を発表したことは、画期的である。ブッシュ政権と対照的な姿勢を打ち出し、やる気を見せている。一方、我が日本に誕生したばかりの政権の迷走ぶりはひどい。「給付金」問題も、最後は地方行政に「丸投げ」になってしまい、事務手数料だけで膨大な税の無駄遣いをすることになる。実施にいたると更に混乱が生じ、麻生政権の支持率低下に拍車をかけることになるだろう。
■こんなことをやる前にたとえば農林中金のトップの報酬の大幅カットなど、やるべきことは沢山ある。すでにマスコミでも伝えられたが、本日毎日新聞の専門編集委員の北村太郎氏が、年俸4080万円の農林中金総裁の報酬について触れている。
北村氏によると、「特殊法人トップの平均報酬は2231万円。独立行政法人トップの平均報酬は1838万円。倍である。3500万円の日銀総裁よりも高い。総理大臣が4165万円。アメリカ大統領は約40万ドル。今の為替レートでは4000万円を下回る。理事長さんは大統領より高い。正気のさたではない」
■農林中金は純粋な民間金融機関ではあるが、農林中央金庫法を根拠法にする特別民間法人。理事長ポストはこれまで農水次官の退職後の指定席。「それに理事長さんが金融のエキスパートというわけでもない。高級官僚専用のエスカレーターに乗っていただけで「年俸4080万円」にたどり着いた。「報酬は大銀行、農協諸団体のトップとバランスを取った」と説明する向きもあるが、度重なる農水行政のミスを目の当たりにすると、農水官僚の組織的給料ドロ!と言いたい気分になる――(ここまで引用)
■北村氏は、公務員がこれまで培った人脈を頼りに再就職するのは当たり前だとしながら、問題は「破格な待遇」にある、と指摘している。世界同時株安で国内最大規模の機関投資家・農林中金は大損しているはずだが、総裁がこんな高給をはんでいるのである。こういう「悪しき慣例」にメスをいれ、税金の無駄遣いをなくし、国も国民も「元気になる」ことに効果的に税金を投入して欲しいものだ。――と、こんなことを書いているので、肝心の原稿執筆がすすまない。やれやれである。