コラム


by katorishu
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きな臭い世の中になってきた

 11月18日(火)
■以前から現代は昭和初期と似ているといわれてきた。それがいっそう現実感のある事態となりつつあるようだ。金融恐慌は戦前の大恐慌に似ているし、政党政治がうまく機能せず、多くの国民は大会社などが金儲けのためならなんでもして、弱いものいじめをしていると思っている――というのも似ている。一方で「食えない」か「食えなくなりそうな」大量の国民。格差の拡大。そんな世の中の「不正」をただそうと「正義の剣」をふるって「美しい国」にしたいと願う軍人。本日、厚生労働省の元次官を襲う「テロ」と思われる事件も発生した。

■テレビでは「エログロナンセンス」がおおはやり。モラルはすたれ刹那的な気分と、時代閉塞が蔓延している。昭和初期とますます似てきた。これは危ない。悲しいことに山積する問題について解決への有効な処方箋がない。それがさらに混迷や危機を加速させる。国民の不満、鬱積は急激に高まっている。来年は企業倒産も倍増し失業者が町にあふれるに違いない。数年内に自衛隊員によるクーデターが起こる可能性さえでてきた。

■やぶれかぶれになる人間が多くなり、一方で、危機打開のために有効な手立ての出来ない無能な「政治」に絶望し、直接行動に訴える層も出てくるかもしれない。不安心理につけこむカルト的宗教も蔓延するだろう。マルチ商法もふえ、ますますモラルは低下する。
 経済悪化は、世界規模で起こっていることなので、始末に悪い。もろもろの悪い事態の発生源であるアメリカがなんとか立ち直らないことには、改善はむずかしい。しかし、肝心のアメリカがきわめて心許ない。金融市場は崩壊したと極論するエコノミストもいる。

■事態が煮詰まってどうしようもなくなったとき、最後の解決策は古来よりたったひとつ、戦争である。大規模の戦争はそうそう起こらないだろうが、小規模の戦闘などが多発する可能性もある。そうして大地震等の大災害。惨禍をへて、はじめて日本は「生き直す」のかもしれない。今後、多くの国民にとって「生きる目標」は「サバイバル」になる可能性が強い。戦時中、日本軍によって占領され、軍政下におかれたフィリピン国民の目標は「サバイバル」であった。拙作「マッカーサーが探した男」でフィリピンのことを書いたが、今日本は一歩一歩当時のフィリピンのような状況に近づきつつある、と半分本気で思っている。
by katorishu | 2008-11-19 00:07