コラム


by katorishu
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 支持率急落の麻生政権、「退陣」こそが日本の「国益」

12月1日(月)
■師走になってしまった。アメリカ発の金融危機の影響が日本の実体経済にも確実に波及してきており、どこにいっても景気の悪い話ばかりだ。金融危機で、日本はほかの国とちがってバブル崩壊を体験しているし、その被害は比較的少ないとエコノミストや政界財の指導者が語っていたが、どうもそうではなく、たとば株価の下落率も日本はよそと比べて高いようだ。アメリカ依存、輸出依存がつよすぎて国内需要の喚起にあまり力をいれてこなかったことも、危機を深刻化させているのではないか。具体的にいえば、企業はもうけているのに、それを働く人に還元してこなかったことが、今裏目に出始めている、と思う。

■近年まれに見る危機に、対処することのできない麻生内閣への不信感がひろがっている。FNN合同世論調査によると、内閣支持率は27・5%へと急落したという。そうして日本の首相として相応しい人も麻生氏にかわって民主党の小沢氏、ということになった。政権発足二ヶ月でこれほど支持率が低落する内閣も珍しい。多くの国民が指導者にふさわしくないと判断したということである。

■もともと選挙を実施するために作られた内閣であり、確固とした政策があったわけではない。それが党内の調査で今選挙をすると大負けすると出て、急に路線をかえ、「政局より政策」などといいだし、場当たり的政策を打ち出したので、すぐボロがでる。
 太平な時代ならともかく、下手をすると日本が沈んでしまうかもしれない「危機の時代」に宰相としてもっとも相応しくない人を選んでしまった。国民が選挙で選んだのではない。自民党と公明党が「自分益」のために選んだということは、多くの国民が見抜いている。

■中小零細の経営者やそこで働く従業員、フリーで仕事をしている人の多くが、なんとかしろと怒っている。「喰えなくなる」というのが動物の一種の人にとって最大の恐怖である。そんな恐怖の到来を前に、有効な手段をうちだせない指導層および既得権益層。まずこれらを除去しないことには、どうしようもないところにきているのだが、まだ危機の深刻さを理解していない人も、多いようだ。

■目の前に危機が迫っているのに、それを危機と認識していない。現在発売中の週間ダイヤモンドが「新聞・テレビ 複合不況」という特集をしている。各社とも「涙ぐましい」ほどの経費節減策をとっているようだが、そういう「小手先」のやり方で危機は回避できないだろう。「貧すれば鈍する」ように、場当たり的なことをやっているようだが、週間ダイヤモンドの記事を読む限り、崩壊へ回転をはじめた歯車をとめるものにはなっていない。まずトカゲのしっぽ切りのように犠牲になる下請けやフリーのことに、思いがいってしまう。そろそろ「踏みつけられた」人たちの「反乱」がはじまってもおかしくない状況になってきた。社会の随所に宿っている不満の種を、ひとつの方向にまとめあげる「天才的指導者」があらわれたら、一挙に爆発するだろう。ますます満州事変前の昭和前期に似てきた。
by katorishu | 2008-12-01 23:50 | 政治