2007年 07月 22日 ( 1 )

麻生外相の「失言」

 7月21(土)
■麻生外相が演説で日中の米の値段のたとえを「アルツハイマーの人でもわかる」といったことが、問題となっている。漫画好きといわれる麻生氏ならではの発言で、一国を代表する外相としては極めて不適切である。
 外相の発言は、お笑いタレントの発言とは重みがまるで違う。この人も吉田元首相の孫であり典型的な「世襲議員」である。弱い立場にある者の気持など、果たしてわかるのかどうか。

■だれかが半径3,4メートル内で接すると、とっても面白い人で善い人であると語っていた。確かに「お友達」としては善い人なのだろう。ジョークも連発するし当意即妙に言葉を発するそうで、酒を飲むならこういうタイプの人と飲みたいものである。
 しかし、閣僚の資質としてはどうなのか。インターネット時代を迎え、公的な立場にある人の発言が瞬時に世界に広がる時代である。安倍首相後の「総理候補」とマスメディアで報じられているが、この人の発言はどうも軽いし、その場をわかせようという「サービス精神」が旺盛なのか、不用意である。政治家はサービス業ではない。

■アルツハイマー患者など社会的弱者を「もののたとえ」にしたら、「問題発言」として批判されることを見通せなかったのだろうか。政治家は文筆家などと同様「言葉」が命である。それも、発する言葉の影響力が強大な外務大臣である。裏の裏を勘ぐれば「安倍政権」にダメージを与えるために発言したのではないか思えてしまうほどだ。

■潜在意識にあるものは、ふとした弾みで言動に出てしまうものである。人間というのは、それほど高潔な存在ではないし、心の中ではいろいろと表に出来ないことも考えるものである。知り合いの赤ちゃんを見て、「あまり可愛くない顔をしているな」と内心思っても、親に対しては「可愛いですね」という。それが「大人の常識」というものである。

■図書館から帰宅してつけたテレビのニュースで、新潟中越地震について中国のネットに「地震で日本列島が太平洋に沈めばよかった」などという中傷誹謗する内容があふれたと伝えていた。中国共産党もこれはまずいと思ったようで、ネット上の誹謗を非難したという。他人の不幸を喜ぶとは困ったもので、品性下劣というしかない。具体的にどの程度の中傷誹謗が中国のネット上に流れたかわからないが、中国当局がわざわざ批判を加えたことは、看過できない動きであったのだろう。

■急速な「経済発展」をとげた裏に様々な矛盾をかかえる中国社会。基層部分に、「変化」が生まれているのかもしれない。先日、段ボール入りの肉まんの報道が捏造であることが発覚したが、背景に中国当局の権威失墜をねらった意図があったのではと勘ぐることも出来る。米朝関係も新たな段階にはいったし、東アジア情勢も微妙になってきた。だからこそ、外務大臣には見識があり、戦略に長けた人がつかなければいけないのだが――。
by katorishu | 2007-07-22 02:47