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戦勝記念の酒器類

2018-05-18
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過日、友人宅に行った時、出された猪口。歩兵三五連隊、満洲派遣記念として作られた猪口だ。
昭和6、7年頃か。関東軍の独走で日本が泥沼の戦争に巻き込まれていくのだが、多くの国民は大本営発表しか知らされていなかった。友人のお祖母さんの遺品だという。
僕が子供の頃、離れの縁の下に猪口や徳利、皿などが新聞紙に包まれて置かれていた。祝旅順陥落など日露戦争での日本軍の快進撃を祝う絵や漫画が描かれていた。絵が面白いのでママゴトの延長で、近所の悪戯っ子とムシロの上で、差しつ差されつの宴会遊びをした。酒(水)を注ぐと口笛のような音のする徳利が僕の気に入りだった。
祖父が日露戦争に従軍したと聞いていたので、記念に買ったのか、もらったのか。色んな戦争画もあり、時々取り出して眺めたものだ。
祖父が亡くなってまもなく、戦争の「遺物」は、シベリア抑留体験のある父が、ゴミだとして全て捨ててしまった、と記憶する。
戦争に付随する記念品等はカッコいいが、現実の戦争は醜い限り。

# by katorishu | 2018-05-18 17:45 | 文化一般
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2018-05-16
季節の変わり目なのか、最近、知り合いの訃報が多い。今日は映画評論家の松島利行氏の葬儀。避けられない仕事があり参加できないが、松島さんは僕が大学に入ったときの四年生。「外語大ペンクラブ」という文学サークルがあって「外語文化」という雑誌を出していて、松島さんはそこで小粋な論を展開していた。確か「僕の周りは父も叔父も皆んな東大卒で僕だけ落ちこぼれて2期校の外語大に来てしまった」と自身を揶揄していて、そこはあまり良い印象ではなかったが。

上級生に何人か論客がいた。僕の記憶では、毎日新聞の映画記者になった松島さんと、新藤兼人さんが主催する近代映画協会に行ったMさんの2人が印象に残る。巣鴨の喫茶店で2時間あまり、松島さんら先輩が僕の知らないイタリアやフランスの作家や映画監督について縦横に語るあいだ、僕は一言も口を挟めなかった。
読書量も少なく基礎教養が足りなかったので、これじゃダメだと思った。

松島さんに再会したのは、それから20年ほどして新宿のゴールデン街の行きつけのスナックでだった。当時僕はTVドラマを「量産」しており、若いこともあってゴールデン街に良く通った。そこで松島さんと再会して何を話したか記憶にない。
最後にお会いしたのは、松島さんが毎日新聞を定年退職して間もなく、墨田区の住まいの近くに良い飲み屋があるので来ないかとのこと。カミさんと一緒に行った。松島さんは酒癖が良い方ではなく、出したばかりの拙作「今村昌平伝説」について、途中から「あれは良くない」とけなし始め、気まずい空気になった。そのあと松島さん宅に行った。比較的若い女性がいて、連れ合いであると紹介された。

その後FBで松島さんはかなり頻繁に発言されていたので、何度も会っている気がしたが、考えてみると、あれが最後になってしまった。電話では何度か話したが。

世は無常。松島さんの著作では「日活ロマンポルノ史」を高く評価したい。「モダンな東京少年」が、そのまま大人になってしまったようなユニークな先輩だった。御冥福をお祈りします。

# by katorishu | 2018-05-16 10:41


2018-05-09

昨日、こまつ座121回公演「たいこどんどん」を紀伊国屋サザンシアターで見た。演出はラサール石井氏。こまつ座での初演出とか。始まるまえ、関係者に紹介されラサール氏と立ち話。従来のこまつ座のお客さんにどう受け取られるか、興味深いとラサール氏。

幕末の江戸の、太鼓持ちと金持ちの若旦那の道中記といったもの。井上ひさし特有の「風刺」はやや少なめだ。ラサール石井演出は、ラップを入れるなどして歌と踊りに趣向を凝らし、エンタメ性をより濃く打ち出した。

こまつ座は最近、鵜山仁演出が圧倒的に多く、従来路線にそった趣向を凝らしてきたが、ラサール演出はセット1つとってもかなり趣が違う。笑わせどころを心得ていて、さすが元テアトルエコーの団員だけあってサービス精神旺盛。主演は落語家の柳家喬太郎。懸命の力演。

僕の好みとしては鵜山仁演出かな。キャスティングの違いもあるが。


# by katorishu | 2018-05-09 13:25 | 映画演劇
2018-05-05
ゴールデン・ウイークと言っても、毎日が日曜日でもあり労働日でもあるので、特に変わった行動をしない。舞台と展覧会と映画を見る他は、読書、資料読み、執筆くらいか。あとは自転車。BUNKAMURAで見た映画は収穫。去年のカンヌ映画祭の大賞受賞作「ザ・スクエア:思いやりの領域」だ。スエーデンの若手監督、リューベン・オストルンドの脚本、監督。
美術館のキューレイターが新しい試みに挑むことで生じる騒動を、毒のある知的ユーモアでまぶし、最後まで引っ張る。
シンボリックな描写で人間存在の面妖さや、救いのない格差や差別に迫る。紳士淑女の食事会に登場するゴリラの真似をする半裸の男の、怖くて笑えて粛然となる描写には脱帽。この長いシーンは映画史に残るであろう傑作シーンだ。大胆な省略も心地よい。実験作でもあり、笑えるエンターテイメントでもある。執筆中の映画がらみの小説について多くの示唆を得た。
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# by katorishu | 2018-05-05 10:32 | 映画演劇

18-05-04

また嫌な季節がやってくる。冷房である。どこへいっても冷房が強すぎ、不快。大震災直後は「節電」志向が強かったのに、喉元すぎれば、なんとやら。

地球温暖化は将来、地上に深刻な害をもたらす。パリ協定がきちんと守られるかどうか。大国、強国の経済論理に引きずられるのを、かろうじて防御している関係者に頭が下がる。

だから原発が必要という理屈もあるが、汚染処理も満足に出来ないし、これも将来に大変な禍根を残す。

今こそ、日本の伝統芸である「もったいない」文化、「自然と共生する」文化を、世界に発信していくべきと思うのだが。

少々の不便を楽しむ余裕が欲しい。日本の開発した「いぶき」は素晴らしい。


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# by katorishu | 2018-05-04 15:07 | 社会問題